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SAP案件のイマが分かる!知って見つかる最適案件

SAP(エスエーピー)という言葉を聞いたことがありますか?この言葉は、会社名であり、ミドルウェア製品の名称でもあります。

普通にWebシステムやその他オープン系開発をしている方々にはあまり縁のない言葉かもしれません。ところが、SAP社の売上たるや、マイクロソフトやオラクル、IBMと互角に張り合う規模といえば想像できるでしょうか?

その割には聞いたことないよ?とおっしゃる方も多いでしょう。それもそのはず、開発言語やフレームワークではなく、SAPはERP(基幹業務パッケージ)だからです。ちなみにそのSAPコンサルタントと呼ばれている人たちは、かなりの高給取り・・・。

本記事では、SAPとは何か、その求人案件とはどんなものがあるのかをご紹介します。いつもJavaやPHP、Rubyなどの一般的な開発言語でコーディングしている方々、たまには別の世界ものぞいてみませんか?

そもそもSAPとは

SAPという「会社」からご紹介します。

SAP(エスエーピー、サップではありません)社は、ドイツのヴァルドルフに本社を置くヨーロッパでも屈指の巨大ソフトウェア会社です。創業から現在までの足取りを、公式ホームページからざっと拾ってみましょう。

SAP社は1972年、IBMドイツを退社した5人がドイツにて創業した企業です。企業として立ち上がったばかりの頃は、主に夜や週末にプログラミングを行なっていました。当初はリアルタイムデータ処理のソフトウェアを開発していました。

創業初年からいきなり成功を収め、この年の終わりには9人の従業員で620,000ドイツマルクの売上高を出しました。当時は1ドイツマルク95円前後だったので、5900万円程度です。ドイツのヴァインハイムやマンハイムにオフィスを構えたものの、創業メンバーの5人は最初のビジネスパートナーであるImperial Chemical Industories社(インペリアル ケミカル インダストリー社: 本社はイギリス)のデータセンターで多くの時間を過ごしました。

その後、1977年には初の国外ユーザにソフトウェアを納品したり、本社をヴァインハイムからヴァルドルフへ移転したりと順調に成長しました。現在では売上高3.2兆円(ちなみにパナソニックは7.9兆円、ソニーで8.3兆円)、アメリカのFortune紙が選ぶ売上高の上位500位(Fortune 500)の87%がSAP製品を使っているほどになりました。

SAPの製品

SAPの製品群について見てみましょう。

SAP S4/HANA

SAP S4/HANA(エスエイピー・エスフォーハナ)は、ERPに分類されるソフトウェアです。

・・・といっても、難しいですよね。そもそもERPとは何か、ということから始めましょう。

ERP(Enterprise Resources Planning)とは、企業活動における仕入れから販売、会計などの基幹業務を一気通貫で情報管理することです。

教科書的にいえばこのようになりますが、余計に分かりにくいという声が聞こえてきそうなので、もっと一言でまとめましょう。

ERPとは、企業の業務全体を定型化して情報管理することです。

本来は上記のような意味でしたが、現在はERPをパッケージ化したソフトウェアをERPと呼ぶことが多くなりました。その一つがSAPの主力製品SAP S/4 HANAというわけです。

やっと本題にたどり着くことができました。SAP S4/HANAはERPパッケージ、または基幹業務パッケージのソフトウェアです。

企業が仕入や販売、会計業務などなどを個別にシステム化すればどうなるでしょうか?仕入業務ソフトが仕入業務を管理し、データをエクスポートして会計業務ソフトに渡します。売上業務ソフトが売上業務を管理し、同じく会計業務ソフトへ渡します。さらに人事、経費、その他諸々・・・・もう大変です。

よって業務を個別最適化するのではなく、SAP S4/HANAを導入して全体をトータル的に管理するのです。しかもS4/HANAには業務のベストプラクティスが盛り込まれているので、S4/HANAを導入するということは、単に業務をシステム化するというだけにとどまりません。業務の効率化、見える化も同時に行える、というわけです。

ちなみに HANAというお花を彷彿させる名称は、何かの略称ではなく、「そういう固有名詞」です。もともとはHigh-Performance Analytic Appliance(HANA)と表記されていました。全然略称じゃないじゃんと思われるでしょう。それもそのはず、そのさらに前はHasso’s New Architectureという名前の略称でした。そういわれると何となくイメージができますね。

SAP HANAについても触れておきましょう。

HANAの特徴1:インメモリデータベース

SAP HANAはインメモリデータベースです。その名のとおり、メモリ内でデータを処理します。RDBを単にインメモリ化しただけではありません。アーキテクチャ自体がメモリ上で処理することを想定して構築されています。よって、RDBと比較してより高速にデータを処理できます。

HANAの特徴1:カラムストア指向

RDBでは、行単位にデータを処理します。ストアドプロシージャで開発をしたことのある方ならよりイメージがしやすいでしょう。行をフェッチして、処理して、カーソルを次に進めて・・・というイメージです。ところがHANAは列(カラム)方向にデータ処理します。よって、関係のないカラムまで含めて1行丸ごと処理対象とする必要がないのです。

上記2点以外にも、マルチコアに適応した並列処理やディメンショナルモデル(多次元モデル)の実装などなど、多数の特徴があります。

SAP ABAP(アバップ)

業務ノウハウが凝縮されたERPを導入すれば何もかもがスムーズにいくはずですが、実際にはそうはいきません。つまり、どうしてもパッケージではカバーできない機能や帳票があるのです。特に日本は世界でも有名な帳票文化の国ですので、今まで出ていた帳票が出なくなると業務が回りません。それが法定帳票ならなおのことです。

よって、SAPの基本機能をカスタマイズすることができます。SAP専用のプログラミング言語があるのです。それがABAPという言語です。ファイルを読み込むだけの簡単なプログラムですが、雰囲気はお分かりかと思います。

カンの良い方はすでにお気づきかもしれません。行の終わりはピリオドで、sy-subrcは実行結果の戻り値を取得するもの、それがNE(NotEqual)なので0以外ならEXITする、等々です。一般的な開発言語に慣れておられる方にとっては、さほど難しいものではないかもしれません。

ちなみに、APABを使う人のことをABAPer(アバッパー)といいます。

SAP BusinessObjects

正式にはSAP BusinessObjects Business Intelligence スイートという長い名前が付いていますが、よくBO(ビーオー)と略して呼ばれています。データソースやハード構成を一切気にせず、システム部門だけでなく利用部門でも帳票を自由にカスタマイズできるのが特徴です。単なる帳票だけでなく、グラフィカルなユーザーインターフェースを作ることも可能です。

データソースは一般的なRDBに限らず、先で解説したSAP HANAやNeteezaといったデータソースに対応しています。

SAPエンジニアの仕事内容

SAPエンジニアの仕事内容は多岐に渡ります。システム開発の上流工程と下流工程に分けて考えてみましょう。

SAPコンサルタント

SAP社のERPの導入や実装、運用など全体を支援するのがSAPコンサルタントです。そもそもERPは買ってきてすぐに使えるExcelのようなものではなく、導入に相応の時間を要します。よってSAPの製品を導入するには、SAP社の製品を深く理解したコンサルタントの支援が不可欠です。

導入を予定している企業内で行われている業務、使われている帳票、さらに企業がもつ経営課題や今後の経営戦略を調査し、それらをERPでどのように解決できるかを提案しなくてはなりません。ただ単に業務とERPの持つ機能を比較してERPを導入する、だけではないのです。

SAPコンサルタントには、各部署や担当者、役員と連携して導入を推進するだけのマネジメント力が求められます。もちろんERPの機能だけでなく業務そのもの、つまり販売や会計といった業務知識がなくては、導入を率先することなどできません。

基本的に現場は忙しく、業務フローや帳票、入力画面が変わることを嫌います。たとえ導入したあとに業務が改善されるとしても、です。そこをうまく調整し、経営層だけでなく現場も喜ぶ導入をしなくてはならないし、それだけの人間力も必要です。

どうしても標準機能だけではカバーしきれない箇所はABAPでアドオン開発することになります。何を標準機能そのままで使うか、何を追加開発するかを判断するのもSAPコンサルタントに必要な技術です。現場の圧に押されてアドオンを開発しまくり、結局開発工数が異常に膨らんだ、というのはよく聞く話です。

SAPエンジニア

SAPエンジニアは、SAPコンサルタントが行った要件定義を実際に形にする役割を担います。例えばABAPによるアドオン開発や、BOの帳票開発などです。

SAP Basisエンジニア

SAP以外のエンジニアの方たちが比較的想像しやすいのが、このSAP Basisエンジニアです。

SAP Basisとは、SAP ERPとOSの間に介在するミドルウェアです。いわゆるSAP ERPを稼働させるためのミドルウェア、またはSAP ERPの構成要素の中でもよりインフラ寄りの部分、といえば理解しやすいのではないでしょうか。

  • 各製品のアップグレード
  • パフォーマンスチューニング
  • バックアップ設計
  • トラブルシューティング

主に求められる技術はサーバOSやDBといった、従来のインフラエンジニアに求められるものに近いです。ただこのあたりも時代の流れを受けて、クラウドの知識も必要になりました。クラウド上にサーバを立ててそこへ導入ということも考えられますが、それだけではありません。最近ではSAP製品があらかじめセットアップされた仮想マシンイメージを購入できます。よってイチから構築するだけでなく、クラウドを活用した構築も検討しなくてはなりません。

SAP案件は今後減少する?増加する?

SAP案件は、今のところ減少する要素は見当たりません。先で述べたように、今すでにかなりのシェアを誇るERPですので、新規導入はもちろんのこと、既存のSAP資産の運用・維持改善でも需要がまだまだありそうです。

実は、今後2025年問題に向けて、需要がさらに伸びる気配があります。

SAPの2025年問題

SAPには、2025年問題というものがあります。

SAP S4/HANAが2015年に登場する以前は、SAP R/3が主力商品でした。S4はデータベースがHANAのみなのに対し、R/3は普通のRDBでも使うことができたのです。ところがこのR/3は2025年にサポートが終了します。現在R/3を使っているユーザはかなりの数に上ります。企業としてサポート切れになった製品を使うわけには行かず、バージョンアップか別製品への移行を迫られます。

「R/3からS4HANAになるだけでしょ?データ移行だけで済むのでは?」と思いますよね。

実際にはそうではありません。R/3にはデータテーブルが大量に存在していました。それがS4HANAでは整理されてかなり数が減っています。つまりRDBのバージョン移行というレベルの話ではなく、まったく別製品への移行に等しいのです。

「2015年にS4HANAが発表された当時10年の猶予があったわけだし、しかも2025年までまだ時間がある、いくら何でもその間に移行できるでしょ?」と考えてしまうのも分かりますが、それは問題の本質を外しています。Javaで考えてみるといまだにJava6が健在ですし、もうすでにセキュリティパッチやアップデートがされないはずのStruts1.x系を使っている企業も多数あります。

つまりITの世界は技術の進歩は早いものの、使い手である企業は動きが遅いのです。ましてやSAPユーザの中には世界中に点在する拠点をカバーする規模で導入したユーザもいるわけです。移行費用は相当な額になるものの、移行したところでサポートをキープできるものの目立ったメリットがないとなるとどうでしょうか?答えは言うまでもありません。

ただしこれを求人案件として見た場合、意外とオイシイのです。仮に今からSAPの道に入るとして、7年経てばかなりの実力になっているはずです。しかも今R/3案件にアサインされたとしたら、R/3を学びつつ次期バージョンのS4HANAも学べます。つまり業界全体でR/3からS4HANAの移行が始まるあたりでは、すでにSAP製品のスペシャリストになっているはずです。新旧製品の両方を知るあなたは、おそらく引く手あまたになると予想されます。

その特需を見越して、今からSAPを学ぶというのもアリですね!

SAP求人案件の単価相場は?

SAPエンジニアは、経験が浅いうちの年収はWeb系開発エンジニアとあまり変わりません。しかし上流、つまりSAPコンサルタントになると、SAP以外のエンジニアと比較して給料は高めです。

経験2〜3年目

経験が浅いということは、自ずとSAPのアドオン開発やインフラ寄りのBasisエンジニアとなります。このあたりはSAP以外のITエンジニアと変わりません。未経験や経験1年以内だと、だいたい300万〜350万円前後、経験3年あたりで400万程度です。

経験3年以上〜熟練者

このあたりからSAPエンジニア以外との差がつき始めます。

SAP経験3年以上となると、そろそろSAPコンサルタントの域の入り口に近づきます。SAPコンサルタントの仕事内容は先に述べたとおりです。そしてSAPコンサルタントはWebシステム開発やその他ITエンジニアと比較して全体的に高給で、案件によっては1000万円を超えるものまであります。SAP製品だけでなく企業活動全体(仕入や販売、会計等々)に関して精通し、それなりのヒューマンスキルが必要なので、わかるような気がしますね。

SAP案件で年収・収入を上げるポイント

SAP認定資格の取得

SAP社の認定資格があります。認定試験に合格すると、SAPの製品知識を有する証明になるだけでなく、認定資格の保有者のみアクセスできる情報への権限が付与されます。国内だけでなく海外でも通用します。

ただし受検料だけで5万円以上します。そのうえ、独学での合格は大変むずかしいのが実状です。SAPアカデミーで学習してからの方が近道ですが、その受講料だけで100万円以上します。個人負担では決して無理ですね。

興味のある方は、SAP社のホームページをご覧ください。

グローバル

SAP製品について深く知る場合、英語力が必須です。SAP社のページをのぞいてみるとわかりますが、少し深く見たとたんにまだ翻訳されていない英語の情報に出くわします。その他、日本語に翻訳されていない情報が多々あります。資料そのものが読めないと、さすがにツライですね。

またSAPの製品はグローバルに利用されることが多く、英語ができるに越したことはありません。

まとめ

本記事では、SAP案件について解説しました。

一般的な開発言語やフレームワークで開発しているITエンジニアには、どちらかというと「畑ちがい」というイメージのあるERP、そしてSAP。意外と奥が深く習得するのは困難なこと、しかし一度習得できたら安定かつ高給なこと、お分りいただけたでしょうか?

この記事をきっかけに、ぜひ一度SAPへのキャリアを検討してみてください。

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