近年エンジニアの中で、フリーランスという働き方を選ぶ人が増え続けています。
大学を卒業して企業に就職し、数年働いたのち、フリーランスの道を選ぶ。これがまさに、フリーランスとなる方の基本ルートと言えるでしょう。
しかし、会社員のようにキャリアパスが用意されている環境とは異なり、自分自身でその道を築き上げていくことが求められます。今回は失敗しないフリーエンジニアライフを送るための方法についてご紹介してまいります。
少しでもフリーランスになる瞬間の不安を最小化し、どんどん活躍していく方が増えることを願っています。
なお、この記事はフリーエンジニアへ案件紹介をするサービス「ポテパンフリーランス」がお届けします。
目次
フリーエンジニアの働き方とは
フリーランスという働き方の波が押し寄せていることは周知の事実でしょう。近代化以前は人々は商売人として、それぞれが独立して商売をしていました。現在のような会社組織に属することが当たり前の時代は、実はまだここ100年程度の話です。テクノロジーの進化、個人の価値観の変化、そして社会的必然性により、人類は組織から解放された働き方を手に入れつつあるのです。
フリーランスの中にはいくつか働き方の種類があります。順番にみていきましょう。
自前サービス型
自前サービス型は、自分でサービスを企画開発して収益化をはかるやり方です。サービスを軌道に乗せることができた場合に得られるリターンが大きいのが最大の魅力です。自前サービス型はストック収益をあなたにもたらしますので、自分が実働しなくても、勝手にサービスがお金を稼いでくれるのは非常に魅力的です。そのような収益源があると、さらに新しいチャレンジもしやすくなります。
ただ一方で、自前サービス型はロマンはあるものの、そのサービスが当たる確率はそれほど高くはないのが現実です。実際に、創業して 5年以内に95%の会社が倒産しているというデータもあります。まったく収益化できずに閉じてしまうサービスも星の数ほどあります。
また、いざサービスを拡大させようという時には、エンジニアとしての実力以外にもセールス面やマネジメント面などの実力も試されます。それは、今までとはまた異なるストレスを感じることになるでしょう。もし、自前サービス型での成功を目指すのであれば、収益化するまでの期間もしっかり稼げるだけのプランを用意しておきましょう。
在宅型
在宅型とはクライアントに対して価値(開発力)を提供してそれに対して報酬をもらう働き方になります。どうしても自分の稼働時間を超えて収益をもたらすものではありません。しかし、この 2 つにはより早くより確実に収益を上げられる
というメリットがあります。
在宅型にはさらに、受託開発型とリモートワーク型があります。受託開発型とは、知り合い経由やクラウドソーシングサービスを活用することで、開発を請け負い、納品するやり方です。サイト制作やアプリ制作などの案件をまるっと請け負うことが出来れば高い報酬が見込めます。そして、そのような制作, 開発実績を積み上げていくことで次の受託開発案件につなげることもできます。ただ、受託開発型は、常に自分で案件を獲得し続ける必要がありますので、実績が積み上がりインバウンドで受注できるようになれば楽になりますが、それまでは自分で営業活動をし続けなければなりません。
リモートワーク型とは、クライアント企業から委託された開発業務をクライアント先に常駐せずにリモートでおこなうやり方です。
納品物に対して報酬が発生するのではなく、提供した労働力に対して報酬が発生する場合が多いので、スポットで報酬が発生することの多い受託開発型よりも安定した報酬が見込めます。
しかし、まだ日本では企業側のリモートワークの受け入れ体制が整っていないのが現状です。とはいえ日本でもこれからさらに人材獲得競争は激しくなっていくと予想されるので、交渉権がフリーランス側に移っていくことでしょう。
常駐型
常駐型とは、クライアント企業から委託された開発業務をクライアント先に常駐しておこなうやり方です。常駐型の最大の魅力は、安定的に高収益が見込めることです。たとえば、20,30 代のエンジニアが独立してフリーエンジニアとなりクライアント先に週5日で常駐する場合、会社員時代にもらっていた給与の2倍の報酬が毎月手に入るなんてことも珍しいことではありません。
この常駐型は、時間と場所に捉われない働き方を求めて独立したエンジニアにとっては物足りないかもしれません。ただ、安定的な高収益が見込めることに加え、会社員時代のように副業が禁止されているわけではないので、空いた時間で受託開発型案件で稼いだり、自前サービスの開発に力を注ぐことが出来るというメリットもあります。
フリーエンジニアが仕事を獲得する方法
フリーエンジニアは、自分で仕事を獲得しなければなりません。会社員エンジニアだった頃は、営業部隊が受注を取ってきてくれたりと、特に自分からアクションをせずとも仕事は割り振られていたでしょう。しかし、フリーエンジニアは待っていても仕事が割り当てられることはありません。何かしら自分からアクションを起こさなければ仕事を獲得することは出来ません。
とは言いつつ、自ら企業に対して DM やテレアポなどのアウトバウンド営業を仕掛けるのも骨が折れるでしょう。その時間があるなら、もっと開発に時間を割きたいですよね。本章では、そんな境遇に置かれたフリーエンジニアが仕事を獲得するための営業手法についてまとめました。
Wantedlyで探す
Wantedly は、スタートアップやベンチャー企業が求人を載せることができるサービスです。IT界隈ではご存知の方がほとんどでしょう。Wantedly に掲載している企業の多くもやはり開発リソースを求めている企業が多いようで、Top ページの検索窓から「フリーランス」と打ち込んでみるとフリーエンジニアを求めている企業が多数ヒットします。もし、興味のある企業があれば、自分のプロフィールを充実させて「話を聞きに行きたい」ボタンを押してみましょう。そこからその企業との面談に進めるかもしれません。まだ規模小さいスタートアップなどで働きたいフリーエンジニアの方にとっては、相性のいい営業手法と言えますね。クラウドソーシングサービスに登録する
クラウドワークスやランサーズが代表するクラウドソーシングサービスを活用することで、在宅ワークやリモートワークでも対応可能なお仕事を探すことが可能です。地方在住の方や妊娠中のママさんなどの利用が増えているようです。発注側が個人やスモール B(少人数の企業)が多いのであまり単価の高い仕事は獲得しにくいですが、隙間時間や土日を使ってお金を稼げる仕事を獲得するのにはもってこいの営業ツールとなります。エージェントを活用する
フリーエンジニアに対して案件情報を紹介するエージェントサービスを活用することで、営業活動を代行してもらうという選択肢もあります。「開発に専念したい!」というフリーエンジニアの方に特におすすめです。また、独立直後で収入が安定していないフリーエンジニアの方は、まずはエージェント経由でどこかの案件に参画することをおすすめします。週 3 日 ~ 週 5 日稼働できる案件に参画することで、安定的な収入を確保することができます。
自前のサービスを作りたいという理由で独立される方も多いと思いますが、安定した収益基盤がある上でそのサービスの開発に取り組む方がより成功確率は上げられます。やはり、収入が安定しないまま新規サービスに取り組むのは精神的にもかなりつらいでしょう。
会社を退職する前にやっておくべきこと
「後悔先に立たず」フリーランス 1 年目が終わる頃に、多くのフリーランスが口を揃えてこう言います。フリーランスになると、会社員時代とは異なる様々な手続きやルールに直面し、時には大きな損を被ることも。会社を退職する前にやっておくべきことについてまとめましたので、ぜひチェックしてください。
国民健康保険への切り替え方法
健康保険の手続きは、フリーランスとして独立する際におこなう重要な手続きのひとつです。会社員時代に加入していた健康保険の被保険者資格は喪失されるので、事前に国民健康保険への切り替え方法は確認しておきましょう。
通常、国民健康保険への加入や脱退などの手続きは住所登録のある市区町村役場でおこないます。注意すべきは、市区町村ごとに運営しているため、保険料の計算方法が住む市町村によって多少異なるということです。また、前年の所得によっても保険料は変動します。市区町村役場では気軽に相談に乗ってくれるので、まず足を運んでみるのもいいかもしれません。
国民年金への切り替え方法を調べておく
国民年金は、20 歳になると誰もが強制的に加入するものです。60 歳になるまでの 40 年間の全期間保険料を納めた人には、65 歳から満額の老齢基礎年金が支給されます。会社を退職すると、社会保険(会社で働き始めた時に加入する「健康保険」「厚生年金」「介護保険」の総称)から脱退することになります。社会保険から脱退すると、厚生年金を国民年金(第 1 号被保険者)へ切り替える必要があります。厚生年金の脱退手続きは会社がおこなってくれますが、国民年金の加入手続きは被保険者が自らおこなわなくてはなりません。手続きはお住まいの市区町村役場で、退職年月日のわかるもの(退職証明、離職票など)、年金手帳(扶養ありの場合は、扶養配偶者分も)を持参してください。1ヵ月あたりに支払う国民年金保険料は 1万6000 円程度と覚えておきましょう。
開業届の手続き方法を調べておく
開業届とは新しい事業を始めるときに、税務署に提出する書類のことです。提出期限は事業開始から 1 ヵ月以内ですが、実際には開業届を出さないまま仕事を始めている人もたくさんいます。開業届は義務ではありませんが、フリーランスとして働くことのメリットを受けるためには必要な権利です。主には青色申告ができるようになるというメリットがあります。開業届の書式は、国税庁の HP から PDF ファイルでダウンロードできます。提出先は納税地を所轄する税務署へ直接持参するか郵送で届け出をすることになります。
青色申告の手続き方法を調べておく
青色申告とは、確定申告の種類のひとつです。確定申告とは、個人事業主や法人が納税額を確定させる手続きのこと。申告をおこなう前年の 1 月 1 日から 12 月 31 日までの 1 年間で得た所得(収入 - 経費)を税務署へ申告し、払い過ぎた税金を還付してもらったり、納め足りなかった税金を納付したりするものです。独立してフリーランスになると、払う必要のある所得税額を自分で計算し、税務署に申告しなければなりません。青色申告によって 10 万円か 65 万円の控除を受けられるという大きな利点があるため、一度きちんと調べておきましょう。また、最近ではクラウドベースで安価な会計ソフトも沢山ありますので、こちらも事前に触っておきましょう。おすすめの会計ソフトは freee です。
年間でかかる経費をある程度把握しておく
独立してフリーランスになるにあたって、必要経費は把握しておくべきです。経費には固定費と変動費があります。固定費はオフィスや通信費はもちろん、サーバー代等も含まれます。毎月かかる経費ですので、何にお金がかかり何を削減できるのかを常に考えていきましょう。また、変動費は名刺作成代金や交通費など、毎月どのくらいのコストがかかるのかわからない経費を指します。さらに、健康保険、税金、年金など、これまで全て会社の給料から天引きされていたものも、自分で手続きをして負担していかなければなりません。
独立する際に最も気をつけるべきはお金の出し入れです。特に出金は重要です。
人脈をつくっておく
驚くほどにフリーランス同士では、儲けの話が出てくるものです。フリーランスは、会社員時代と違って、毎日会社に行けば仕事が用意されているわけではありません。自ら営業活動をして、仕事を見つけていかなければなりません。これを、まったく人脈がない状態でおこなうのは、かなり酷でしょう。やはり、会社員時代にできる限り人脈を作っておいた方がいいでしょう。発注するクライアントの立場からしても、人となりや仕事ぶりを何も知らない人に対して、仕事は頼みづらいものです。やはり一度面識があったり、そのクライアントの知り合いからの紹介など、ある一定の信頼感のある人に対して優先的に仕事を頼みたいものです。
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まとめ
今回はフリーランスへの転身を検討されている方に向けて、「フリーランスの教科書」的な記事をお届けいたしました。この記事を参考にすることで、少しでもフリーランスになる瞬間の不安を最小化し、どんどん活躍していく方が増えることを願っています。
ポテパンフリーランスでは、フリーエンジニア向けのキャリアコンサル歴の長いコーディネーターが、フリーエンジニアのキャリアの積み方について、机上の空論ではなく地に足のついたアドバイスしながら案件探しから適切な報酬の交渉まで親身になってサポートいたします。業界のプロと一緒にフリーランスの働き方の未来を考えながら案件探しを手伝ってもらいたい方は下記からぜひお申し込みくださいませ。