フリーランスとして働くことになれば、自分個人の力でクライアントと契約し、仕事を獲得していくことになります。
企業に所属し働くわけではないので、誰かが自分のことを育成してくれるわけではありません。つまり仕事の獲得の仕方、クライアントとの付き合い方を含めて、フリーランスはノースキルの状態では務まらないということです。自分の何らかのスキルを切り売りして、報酬を獲得していくことになる訳です。
では「フリーランスとして生きていけるスキル」とは何なのでしょうか?多くのこれからフリーランスになりたいと考えている人、フリーランスに興味があるという人が疑問に感じる部分でしょう。
この記事では「フリーランスのスキルとは何なのか」「どんなスキルが必要なのか」という部分について解説していきます。
目次
スキルとは
フリーランスで生きていくのであれば、必ず何らかのスキルが必要になってきます。自分のスキルを切り売りして対価を得るのがフリーランス。それなりの対価を得たいのであれば、それなりのスキルを提供しなければならないのです。
一般的に、手に職をつけている人は比較的簡単にフリーランスとして仕事を獲得することができると言われています。例えば、ITエンジニアやWebデザイナーはフリーランスの中でもメジャーな職種ですよね。プログラミングやデザインの技術は比較的「スキル」としてクライアントに対して提供しやすいので、仕事を獲得しやすいのです。
また「スキル」単体ではなく「スキルセット」という考え方も仕事を獲得する上で重要になってきます。例えば、Webサイト制作であれば「ヒアリング→デザイン→コーディング→運用・保守」という一連の流れをセットで全てこなすことが出来れば、より重宝される人材になれるでしょう。「レア」な人材になればなるほど仕事も獲得しやすくなりますし、単価も上がります。
フリーランスに必要なスキル・能力
会社員とフリーランスの違いは、仕事の受注側と発注側を会社が媒介してくれるかどうかです。
フリーランスの場合、会社を介さずにクライアントと直接契約し、個人の責任で業務をこなしていくことになります。そこで問題になってくるのが「自己管理のスキル」と「仕事の契約に関わるスキル」です。
ここからは、フリーランスに必要なスキルをいくつかの項目に分けて解説していきます。
フリーランス全般
フリーランスに必要とされるスキルの中で、最も重要なのは自己管理能力です。自分の仕事を誰かが管理してくれるわけではないので、自分で仕事の量や質を管理しなければなりません。簡単に言えば会社員の場合は会社がやってくれることも、全部自分でやることになります。具体的に言えば、「納期から逆算して1日の仕事量を計算し、こなすべきタスクを考え実行する」というスキルが要求されます。もちろんフリーランスに有給休暇はありません。業務がストップしないように体調にも気を配る必要があります。
フリーランス全般に必要とされるスキルをさらに細分化すると以下の3つが挙げられます。
・決断力
・行動力
・コミュニケーション力
決断力
フリーランスになれば、あなたは1事業主です。目の前の仕事を獲るか、獲らないかの決断をしなくてはいけません。他にも、「知り合った人と組むのか組まないのか」「価格交渉でクライアントにどう提案するか」など、様々な場面で決断力が要求されるようになります。個人で仕事をする以上、役割分担はなく全て自分でやることになるので決断力が重要になってきます。
行動力
次に、行動力です。これがなければ何も始まりません。世の中に仕事というものは山のように転がっていますが、よほどのスキルがない限りは家の中でゴロゴロしていても仕事が舞い込んでくることはありません。ネットとリアル、賢く使い分けて積極的に行動し、自分の仕事の範囲を広げていくことが重要です。
コミュニケーション力
独立というとコミュニケーション力が最重要というイメージがあるかもしれないが、そこまで重要ではないのも事実です。要求されるのは最低限のコミュケーション力。「社会人としてのマナー」と言い換えたほうが分かりやすいかもしれません。「レスポンスの速さ」や「言葉遣い」といったマナーは個人で仕事をする上でとても重要なポイントです。
エンジニア
エンジニアに必要なのはもちろんプログラミングの技術です。
Web系のエンジニアであればHTML/CSS/JavaScriptの知識は必須ですし、Webサービスを構築したいのであればJavaやRubyといった言語の知識が必要です。他にもゲーム系であればC言語やC++の知識、組み込みや制御系のプログラムを組むのであれば、C言語・アセンブリ言語の知識が必要になってくるでしょう。またECサイトや顧客管理システムを構築していくのであればPHPといったサーバーサイドの言語の知識が必要です。
どれか一つの言語だけでなく、例えば「ECサイトを一から立ち上げて、その後の運用・保守もできます」といったような自分をパッケージ化できるようなスキルセットとして持っておくとフリーランスエンジニアとしては理想的でしょう。
フリーエンジニアの実体は、会社員にはよく見えてきませんよね。下記の記事では、フリーエンジニアになるメリットとデメリットについて紹介しているので参考にしてみてくださいね。
参考記事:フリーエンジニアになるメリットとデメリット
ライター
特別なスキルがなくても、日本語が書ければ始めることができるのがライターのメリットです。しかし「ライター」として文章を書くわけですから、好き勝手に文章を書けるわけではありませんし、単価が上がるにつれライターとしてのスキルが求められるようになります。
未経験でも始めやすいのがライターの特徴ですが、単価を上げていくとなると、記事の執筆に必要な知識を素早く集める情報収集能力や文章の構築能力が必要になってきます。また単純な話ではありますが、キーの入力速度(タイピングスキル)といったPCスキルも単価を上げるカギになってくるでしょう。
デザイナー
フリーデザイナーは、グラフィックデザイナーやWebデザイナーという形で独立するのが一般的です。
まず第一に必要なスキルがPhotoShopやIllustlatorといったAdobe製画像処理ソフトの扱いでしょう。バナー制作やWebデザインの仕事では、これらのソフトが扱えるかどうか、実務経験者かどうか募集要項に定められている場合が多いです。
デザインの目的は問題解決です。いかにユーザーにわかりやすく情報を届けられるかを考え、常に最新のトレンドを追っていく好奇心や模写を続ける探究心も必要になってくるでしょう。
下記の記事では、デザイナーの仕事の獲得方法や、必要なスキルをご紹介しています。
参考記事:フリーランスWebデザイナーになるには?その方法や必要なスキルをご紹介!
スキルの高め方・身につけ方
これまでは「どんなスキルが必要なのか?」について解説してきました。
では、「フリーランスとしてのスキル」はどのように高めれば良いのでしょうか?フリーランスになると、自分の仕事に誰も文句をつけてくれないので、自分から進んでインプットしていくことが重要になってきます。
ここからは「フリーランスのスキルの身につけ方」をいくつか紹介していきます。
セミナーに参加する
社会人向けのセミナーは、それなりに大きな都市圏であれば検索すれば情報が出てきます。コワーキングスペースやシェアオフィスといったフリーランスが集まる場所では、しばしば勉強会やセミナーが開かれているので積極的に参加してみると良いでしょう。知識のインプットだけではなく、意外な出会いがあるかもしれません。
スクールに通う
費用はある程度かかってしまいますが、スクールであれば実践的なスキルを教えてもらえます。書籍などでの独学ではどうしても一般論しか学ぶことしかできないことも多いですが、もし実際の現役フリーランスに教えてもらえる機会があればより実践的なことを教えてもらえるので、直接自分の仕事につながるスキルを得ることができます。
また、卒業後のサポートで実際に顧客を紹介してもらえる可能性もあります。「何もツテがない」という状態であれば利用してみるのも手です。
とにかく仕事を請ける中で学ぶ
多くのフリーランスはとにかく仕事を請ける中で自分のスキルを高めています。クライアントの要求や要望は十人十色。様々なパターンに出くわすことで必然的に自分のスキルも高められていきます。仕事を請ける時に、提示された時点で「こうすればいけるかな?」というビジョンが浮かんだのならその仕事は請けるべきです。スキルを高めたいのなら、簡単な仕事ばかり請けるのではなく、少し苦労しそうな案件に手を出してみるのも良いでしょう。
下記の記事では、フリーランスの「仕事の探し方」「仕事の受け方」を解説しているので参考にしてみてくださいね。
参考記事:フリーランスの仕事ってどこで募集してるの?仕事の探し方と受け方のポイント!
独学
もちろん書籍やブログといった資料から独学することも大切です。誰しも最初は先駆者の真似から始まります。特に移り変わりの早いWeb業界であれば最新の情報をインプットしておくことは重要です。ちょっとした空き時間にも、自分の職種に関わる情報収集を積極的に行いましょう。
おわりに
いざフリーランスになっても、一体どんなスキルを身につけていいのかよく分からなくなってしまうのはありがちなことです。準備をしっかりと行うことは大切ですが、個人として信用されなければいけないフリーランスは、実務経験がそのままスキルとして信用されることが多いです。どんどんと仕事を請けて経験を積むのが一番のスキルアップの方法です。
ぜひこの記事を参考にしてもらって、自分のスキルについて見直してみてください。