「フリーランス」という働き方は柔軟性が効くので子育て中の方にはうってつけの働き方です。「それでも忙しいときは忙しいから保育園に預けたい!」と思っている方は多いですよね。今回はフリーランスと保育園の関係について解説します。
目次
フリーランスは保育園の申請が通りにくいの?
「フリーランス」という働き方は比較的新しい概念です。「フリーランス」という働き方を自治体や行政側はどのように評価をするのかは未知数な気はしますよね。それでも下準備を怠らなければフリーランスという働き方が有利に働くこともあるのです。
フリーランスの保育園申請時のポイント
「フリーランスで働いている」ということを目に見える形で証明できれば有利な体勢に持っていくことができます。以下のポイントをなるべくたくさん満たせるようにしておきましょう。
ポイント1: 個人事業主として開業届を出しておく
保育園の審査は自治体が行うものなので、フリーランスで働いていることを証明する公的な書類があると強いです。前もって個人事業主として開業届を出しておきましょう。ポイント2: 長時間働いている実績を作る
何か長時間働いているような実績を証明できるような書類を作成しましょう。例えば納品書や請求書。特に請求書の金額がある程度あると、「長時間働いていること」をアピールしやすいです。ポイント3: 人気のない保育園を第一希望に
いくら「フリーランスでたくさん働いています!」ということが証明できても、そもそもの競争率が高ければ保育園に入れない確率も高まります。ここは時間がかなり自由になる「フリーランス」という特性を活かして人気のない保育園を第一希望にしてみましょう。この場合「人気のない」が指すのは保育園の質ではありません。オフィス街から離れているような、「通勤途中に子どもを連れて行くのはちょっと大変だな」と思われる立地の保育園を狙うのです。
就業時間が自分で決められるフリーランスだからこそ、保育園の選択肢は広がるのです。
ポイント4: 0歳児クラスを狙う
最も空きが多いのが0歳児クラスです。年齢が進むにつれて以前から入園している園児である程度人数が埋まってしまうので、進級してくる園児のいない0歳児クラスがおすすめなのです。また、会社では出産すると1年程度の育児休暇が取れるところがあるので、0歳から子どもを預ける親の需要は、他の年齢から預けようとする親より少ないのです。とはいえ、「1歳児、2歳児クラスは入りにくい」という認識が広がってきているので注意が必要です。
フリーランスであれば育児休暇がないのでそこが有利に働く可能性は十分あります。
ポイント5: 必要な書類は必ず準備
保育園の申請をするときに必要な書類は自治体によってばらつきがあります。また、「自作書類不可」の自治体も多いので「私はフリーランスで働いています! 実績もあります!」ということを証明できる公的な書類を早くから準備しておきましょう。準備する書類例
- 税務署に提出した個人事業開始届のコピー
- 確定申告書類のコピー
- 屋号名の角印と代表者印を捺印した就労証明書
- 仕事用HPのコピー (自分のだと分かる部分を印刷)
- 発注確認書
- 請求書
2人目を保育園に入れたい場合はどうなる?
「1人目は保育園に入れた! 2人目も同じ保育園に入れたいな」と思うのは忙しい方なら誰でも考えることですが、その希望通りに行かない可能性はあります。2人目も保育園に入れたいのであれば保育園の入所申し込みを再度住んでいる自治体にします。そのときに保育園を同じ所にするかどうかを聞かれるので、同園にしたいのであれば「同園を希望する」としておきましょう。
それでも激戦区であれば「別々の園になった」または「入れなかった」となることがあるので、少しでも有利になるように自分の住んでいる自治体の制度をチェックしておきましょう。すぐ近くに子育て政策が手厚い自治体があるのであれば引っ越すことも一つの選択肢です。
保育園以外の選択肢は?
「どうしても保育園に空きがなくて待機児童になってしまった」という場合、保育園以外の選択肢も視野に入れましょう。現在は保育園や幼稚園以外の保育施設も充実し始めているので、案外と助かるかもしれません。
幼稚園
幼稚園は公立と私立の2種類があり、保育料は公立なら市町村で一律、私立なら園によります。一般的に私立の費用は公立の2倍と言われていますが、私立の幼稚園であれば園ごとに特徴があるので、「家から近いかどうか」ではなく保育内容や雰囲気を重視する方が多く、あえて私立を選ぶ方もいます。保育園の保育時間は7:30~17:00の原則8時間ですが、幼稚園は 9:00~14:00の標準4時間の保育時間となっているのです。また、保育園は0歳から入園を受け付けていますが、幼稚園は3歳から小学校入学前の子どもが対象です。時間外保育の有無は幼稚園によって違います。「保護者が働いているなら保育園で」というのは自然な流れですね。
認定こども園
幼保一体型の施設で、保育園と幼稚園のいいとこ取りを目的に作られました。認定こども園の種類は4つ (幼保連携型こども園、幼稚園型、保育所型、地方裁量型) あり、それぞれ特徴があります。幼保連携型こども園
認定こども園として独立しており、1日11時間開園しています。保育園だけではなく幼稚園としての制度も残しているので、幼稚園のように14:00にお迎えということもできます。認定こども園で多いのがこの形態です。
幼稚園型
もともと幼稚園だったところが保育園の機能も追加したのが幼稚園型認定こども園です。開園時間は地域の実情に合わせて決まるので、「仕事の関係で長く預かってほしい」という方は事前に開園時間はしっかり確認しておきましょう。この形態も多くあります。保育所型
もともと認可保育園だったところが保育を必要としない子どもを受け入れられるようにしたのが保育所型認定こども園です。ただし、もともと保育園は待機児童が多く、保育を必要としない子どもを受け入れる余裕が少ないのが実情なので、このタイプの認定こども園は少ないです。地方裁量型
幼稚園・認可保育園がない地域の教育・保育施設です。都道府県の条例で定めた基準にしたがって認可されるのが地方裁量型認定こども園です。開園時間も地域の実情に合わせて設定されるので事前に開園時間の確認が必須です。地域型保育
地域型保育の対象は、0~2歳児です。地域のニーズにきめ細かく対応することが目的です。4つ (家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業) の種類があり、幅広い保育ニーズに応えられるようになっています。家庭的保育事業
家庭的保育者1人につき3人の子どもを預かる形態です。保育者の自宅で小規模で家庭的な保育ができます。保育者になるには資格は必要としませんが研修を受ける必要があります。預けやすさは劣るかもしれませんが、きめ細かく丁寧に見てもらえる安心感が得られます。小規模保育事業
定員6人以上~19人以下の小規模な保育事業です。スペースもそんなにいらないので通常の認可保育所と比べると開所しやすく待機児童の切り札として期待されています。以外に近所でやっている可能性も大です。事業所内保育事業
事業所内で保育施設を持つ形態です。自主的に事業所内に保育施設を設けている企業はこれまでもありましたが、「地域型保育事業」によって国の認可事業として正式に認められました。ただ、この認可を受けるには近隣の子どものための枠を用意することになっているので、そこの従業員でなくても申し込み可能です。
居宅訪問型保育事業
1対1の保育が基本となる居宅訪問型保育事業は、誰でも利用できるわけではありません。障害や保護者の夜勤による不在など家庭の事情で集団保育が困難と認められてはじめて利用できる形態です。フリーランスでも保育園に預けることは可能!
フリーランスであっても準備さえしておけば保育園に預けることは可能となります。フリーランスとして働いている実績や開業届のコピーなどを準備しておきましょう。また、保育園以外の選択肢も豊富なので子どもを預ける環境は整ってきていると言えるでしょう。フリーランスとしてこれからも家庭と仕事の両立をしていきたいですね。