「フリーランスとして独立してけれどどうも収入が足りない」
「独立はしたいけれど、人と一緒に働く時間も作りたい」
こう考えているフリーランスの方は多いのではないでしょうか?
せっかく独立したのにアルバイトをしてしまうなんて、と後ろめたい気持ちもありますよね。
しかし実はフリーランスとして独立した後もアルバイトなどで収入を得たり、自分の好きな仕事をアルバイトで実現している人もたくさんいます。
この記事では、アルバイトをしようか迷っているフリーランスに向けて、「フリーランスのアルバイト」について解説していきます。
目次
フリーランスとアルバイトの違い
フリーランスとアルバイトの違いは、当たり前のことですが「人に雇われずに働いているか」「人に雇われて働いているか」です。
フリーランスとして働く場合、働く場所も時間も、どんな仕事をするのかもすべて自由です。しかしアルバイトとして働く場合はそうはいきません。人に雇われている以上は雇用主の指示にある程度従う必要がありますし、勤務時間や勤務場所もあらかじめ設定されます。
フリーランスは圧倒的に自由です。しかしアルバイトは自由ではないものの、勤務すれば必ずある程度の賃金を得ることができます。毎月保証されている給料があるかどうかで生活のしやすさは変わりますし、「いつか収入がなくなるんじゃないか」と不安に思うことも少なくなります。
アルバイトをすればある程度自由は失われてしまうものの、収入も安定しますし、それによって精神的にも安心できます。
フリーランスがアルバイトをするときのポイント
いくら精神的に安定するからといって、アルバイトばかりをしていたらフリーランスとして独立している意味がなくなってしまいます。
事業主としてまとまった時間を使う以上は、ある程度目的と期限を決めて自分への「投資」としてアルバイトをしましょう。
目的を明確に
まずはアルバイトをする目的を明確にしましょう。目的を明確に持っていないと、安定した収入が入ってくることにかまけてしまって、自分の事業に集中できなくなってしまいがちです。フリーランスとしてアルバイトをする目的は、以下のようなものがあるでしょう。
・最低限の生活費を稼いで、生活に不安になることなく事業を進めたい
・誰かと一緒に働くことで、刺激を得たい
・実際の現場に入ることでスキルアップしたい
以上は例です。まとまった時間をかけてまで自分がアルバイトする理由はなぜなのか?を明確にしてからアルバイトをするようにしましょう。
期限を明確に
また、アルバイトを始める場合は具体的な期限を設けましょう。収入が安定するだけに、何の計画もなしにアルバイトを初めてしまうとダラダラと続けてしまいがちです。アルバイトばかりに気を取られてしまって、自分の事業へのモチベーションが下がってしまう可能性も大いに考えられます。例えば、「3年間だけアルバイトして経験を積む」「自分の事業だけで収入が○○万円になったら辞める」などできるだけ具体的に締め切りを決めてしまいましょう。こうすることで、アルバイトの仕事にもフリーランスの仕事にも身が入ります。
ダラダラとしてしまわないように、3カ年計画を立てるなどして、アルバイトをする期間に具体的な期限を設けましょう。
どんなアルバイトを選ぶべきか
さてフリーランスとしてアルバイトをする場合、どんなアルバイト先を選ぶべきなのでしょうか?
フリーランスは学生ではありませんし、フリーターでもありません。ですから自分の目的に沿った上で、できるだけ自分の事業の邪魔にならないようなアルバイトを選びたいものです。
フリーランスとしてアルバイトをするのであれば、自分のフリーの仕事と似ている仕事を選ぶようにしましょう。なぜなら、似た仕事をアルバイトですることによって実務経験が積める上に、スキルアップすることができるからです。
例えばフリーエンジニアであればプログラマーのアルバイト、デザイナーであればデザイナーアシスタントのアルバイトなどです。うまくいけば自分よりキャリアを積んだ先輩に直接仕事を教えてもらえたりします。
同じ仕事を選ぶことで、「フリーランスの経験はアルバイトに」「アルバイトの経験はフリーの仕事に」活かすような相乗効果を生むこともできます。アルバイトの募集を探すときは、スキルアップを狙える仕事はないかどうかに注目してみましょう。
アルバイト掛け持ちのメリット
フリーランスとしているのに、アルバイトをしてしまうなんて大丈夫なの?と思われがちですが、フリーランスとアルバイトを掛け持つメリットもたくさんあります。
ここではアルバイト掛け持ちのメリットをいくつか紹介していきます。
収入が安定する
アルバイトを掛け持つメリットとしてはやはりこれが一番大きいです。毎月ある程度の収入が保証されていることで生活にもメドがつきますし、精神的にも安定します。「生活のための仕事をしないといけない」と考えすぎると、安い単価の案件に手を出してしまったり、クリエイティブな思考ができなくなってしまったりします。このことからも収入が安定するのは大きなメリットです。
気分転換になる
フリーランスの場合は全ての仕事は自分のためですが、アルバイトの場合組織のために働くことになります。普段と違うお客さんと触れ合ったり、経験をすることで気分転換にもなります。またアルバイトをするとなったら大抵の場合あなたに上司や指導役の先輩がついたりすることになるでしょう。様々な指示を受けたり、改善点を指摘してもらったりすることで自分に足りない部分に気づいたりもできます。この辺りは一人で働いていると得られない経験なので、良い気分転換になります。
仲間ができる
フリーランスとして仕事をしていると、積極的にイベントやセミナー、勉強会に出ていかないと基本的に仲間ができることはあまりないです。アルバイトをすると、常に同じ仕事をしている仲間に囲まれることになります。仕事仲間が友人関係に発展することはよくあることです。アルバイトをすることで気の合う仲間や友人ができて、より毎日が充実するようになるかもしれません。
アルバイト掛け持ちのデメリット
続いてアルバイトの掛け持ちのデメリットも紹介します。
やはり掛け持ちというのは「二足のわらじ」です。フリーランスとアルバイト、掛け持つことによって生まれる悪影響もあります。
時間が拘束される
収入が安定する代わりに、自分の都合を問わずまとまった時間が取られてしまうのがアルバイトです。特に、朝や午前中など集中できる時間帯を全てアルバイトに取られてしまったら、自分の事業の仕事は全て「集中できない時間」に行うことになります。またアルバイトを始めると、アルバイト先まで移動する移動時間や、もっと言えばアルバイトのために身だしなみを整える時間が発生します。仕事が増えるととにかく時間が惜しいフリーランスですから、こういった何もできない時間が邪魔になることもあります。
時間が拘束されてしまうことによって、自分の事業に悪影響が出てしまう可能性も十分考えておきましょう。
突発的なフリーランス案件に対応しにくい
フリーランスとして仕事をしていると、意図していないのに複数の仕事の納期が重なってしまったり、急にクライアントとの打ち合わせが入ってしまったりします。「どうしても今日はアルバイトに出られない」「来月のこの日は出られない」という事態になってしまうこともあります。勤務日を振り返られないなど、シフトに全く自由が利かないバイトであると、フリーランスの仕事にも支障が出てしまいます。このようなアルバイトに従事してしまうと、突発的な案件に対応できず、せっかくのフットワークの軽さを活かすことができなくなってしまいます。
なかなか探すのは難しいことですが、急な予定変更などにもある程度柔軟に対応してくれるアルバイト先を選びましょう。少なくとも曜日固定で絶対に休めない、というようなアルバイトは避けましょう。
フリーランスとアルバイトを両方しているとき、確定申告はしなきゃいけないの?
フリーランスとして独立した場合、税金の納入は確定申告という形で行わなくてはいけません。ではフリーランスとアルバイトを掛け持ちした場合、確定申告はどうなるのでしょうか?しなくてはいけないのでしょうか?
ここでは、フリーランスとアルバイトを掛け持ちした場合の確定申告について解説していきます。
確定申告が必要な場合
アルバイト掛け持ちであってもフリーランスとしての収入が発生している場合は、原則として確定申告はしなくてはいけません。アルバイトの収入とフリーランスの収入を合算して所得を計算し、税金を支払うことになります。アルバイトの収入は年末調整でアルバイト先から源泉徴収票が発行されるので、これを大切に保管しておきましょう。フリーランスの収入に関しては、売上から経費を引いたものが所得です。こちらも経費の領収書は保管しておき、帳簿にも記録しておきましょう。
必要ない場合
フリーランスとして収入が発生していてもその収入が20万円以下の場合、その年度の確定申告をする必要はありません。また、フリーランスの収入が全く発生せず、アルバイト収入のみ、という場合も同様に確定申告の必要はありません。
おわりに
スキルや経験が少ないうちに独立をすると初めは仕事を獲得するのに苦労するものです。「せっかく独立したのにアルバイトなんて」という後ろめたい気持ちもあるかもしれませんが、掛け持ちとしてアルバイトをするのは、目的と期限を明確に決めれば悪い選択肢ではありません。一人ではできなかった経験ができたり、仲間ができてそこから仕事の幅が広がるということもあります。
掛け持ちしようか悩んでいるという方は、ぜひこの記事を参考にしてもらって、アルバイト掛け持ちを検討してみてください。